~高音質な音楽データの存在意義って、なんでしょうか~
音楽談義中に『ハイレゾ』または『ロスレス』という言葉を耳にする機会が増えました。いわゆる『高音質』と言われる音楽データから、音楽愛好家や制作者はどのようなアドバンテージを享受できるのでしょうか。またそれらハイスペックな音楽データの存在意義は、どういったことなのでしょうか。このコーナーでは、マスタリングエンジニアという立場から思いを綴らせて頂きます。
オーディオ・音楽愛好家のみなさまは『せっかく聴くなら少しでも上質な音で、大好きなあの楽曲を聴きたい』と思う事でしょう。ミュージシャンや音楽制作をなさっている方は『心血注いで作った自分の作品を、少しでも良い音でリスナーに聴いてもらいたい』と願っているはずです。高音質データである『ハイレゾ音源』は、音楽の聴き手と作り手、双方にとって有意義なコンテンツであるべきです。しかし現状ではその定義がマニアックすぎて、ごく普通に音楽を楽しむ一般の方々にまで、その必要性や意義が伝わっていないと思われます。
『ロスレス・ストリーミング』という、音楽配信サービスが始まりました。若かりし頃に好きだったあの曲、いま最新作品としてリリースされるあの曲、それら新旧のあらゆる楽曲が『圧縮されていない高音質な音楽データ』として大手各社のサイトから配信され、手軽に聴くことが出来るようになりつつあります。そしてこのリスニング・インフラはますます整備され、オーディオマニアが使うような『特別な機器』を使わずとも、誰もが簡単に『せっかく聴くならなら上質な音で』を、体感できるようになってゆくでしょう。こうなると版権者の手腕が問われてきます。財産として保有する音源を、上質な状態でリスナーに届けるためにはどうすればよいのか。ここでいよいよハイレゾ音源の存在意義が明確になります。
当社代表の堀部は、eilex社が開発した『HD Remaster』というリマスタリングソフトを取り扱う事が出来る、国内唯一のエンジニアです。これまで新旧さまざまな音楽データをハイレゾ化して参りました。このリマスタリング作業の意義は、録音収録時に存在していた『音楽の躍動感』を、より高めることにあります。マイクの特性や録音環境によって、どうしても取り込む事が難しかった『音の微粒子』を独自のアルゴリズムによって再生成し、倍音成分として付加する。ハイレゾデータとして音楽に新たな息吹を吹き込み、ブラッシュアップする。HD Remasterは音楽制作をサポートする技術なのです。
リマスター作業のご依頼を頂くにあたり、当社がお預かりする音源フォーマットは様々です。すでにハイレゾフォーマットで録音された最新の音楽データ、懐かしいU-Maticテープに保存されていた貴重な44.1kHz/16bitのデジタルファイルデータ、マスターデータが行方不明になってしまい、プレスした完成CDしか残っていない楽曲など。託して頂いたオリジナル音源からデータを抽出し、ブラッシュアップのお手伝いをさせて頂きます。現在の音楽配信・販売マーケットで注目されるような、そんな制作作業のお供をさせて頂くことは無上の喜びです。
オリジナル音源は至宝です。アーティストやエンジニアが作り上げた素晴らしい世界観をリスペクトし、決して破壊してはならない。エンジニアとして、このポリシーは絶対に貫かなければなりません。そんな思いを込めてリマスター作業を行い、版権者に納めさせて頂いたeilex HD Remaster音源は、多様なかたちで活用されています。ハイレゾフォーマットの楽曲として取り扱われるダウンロード販売や配信だけではなく、高音質なアナログレコードやCD制作におけるマスターデータとして用いることが可能です。
ハイスペックな音楽データの存在意義は『せっかく聴くなら上質な音で』というフレーズに集約されると考えます。手軽に音楽鑑賞を楽しんで頂くために、制作側は新たな試みが必要となるでしょう。当社でお役に立てる事がございましたら、ぜひお声をかけて下さい。
HD Remaster技術解説はコチラに記述されています。
HD remaster 技術資料
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