*お取り寄せ品です。
当社堀部はVintage JBLスピーカー『4301B』を所有しており、現在でもメインスピーカーのひとつとして大切に使っています。メーカー紹介欄に書きましたが、どうしてもJBLスピーカーでなければ描けない世界観があって代替がないのです。しかし古いスピーカーだけを使っていてはオーディオ屋としての立脚地を見失うので、Harbeth HL-P3ESRを併用しています。米国と英国の『スタジオモニター』が手元にあるっていうのも、自分の好みが反映されているようで楽しいです。
さて本題、4309ですね。
システムの概要を申せば2Wayバスレス型の小型スピーカーです。ウーファーは6.5インチ(165mm)径、ツィーターは1インチ(25mm)径のリングダイヤフラムを用いたコンプレッションドライバーを搭載しています。
各ユニットを簡潔に解説します。
まずウーファーですが、コーン紙はパルプです。エッジはSBRフォームラバー。往年のJBLに散見する『ウレタン素材の加水分解によるエッジ破損』は発生しません。そして結構なロングストローク仕様です。適切にチューニングされたバスレフポートの効果と相まって、サイズからは想像できないくらい、シッカリとした低域を出力します。
小型のスピーカーシステムにおいては珍しい『コンプレッションドライバー』を搭載しております。話が長くなるので仕組みの詳細は割愛しますが、コンプレッションドライバーの優位性は『濃度が高く、エネルギー感溢れる音波を出力できること』です。高いエネルギーの中高音域をHDIホーンが上手に拡散放射。ちなみに水平方向100°×垂直方向80°という広いエリアに均一な音波を届けます。要するにステレオイメージを確立できるリスニングスポットが広いということです。
リスニングスポットが広いということは、複数のリスナーが楽しんで音楽を聴けるということ。コンサートホールでホーンシステムが多数採用されているのは、こういう理由に基づきます。JBLのスピーカーは『神経質にならないでさ、ほれ、楽しくやろうぜ!』っていうアメリカンな陽気さを纏っています。あ、もちろんキッチリとセッティングすると、ピンポイントな定位置で猛烈なエネルギーを浴びることもできます。
もうひとつ、重要なチャームポイント。
フロントバッフルにバスレフポートが空いているスピーカーは、大変に扱いやすいのです。背面・側面からの低域回析音がかなり軽減されます。それにつけてもJBLのスピーカー、楽しいですよ!
動画でレビューしています。ぜひご覧ください。
<<JBL 4309 SPEC>> |
型式
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2Way ブックシェルフ型スピーカー(バスレフ型)
ドライバーユニット
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低域 65mm ピュアパルプ・コーン
| 高域 25mm リングダイヤフラム・コンプレッションドライバー
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周波数特性 | 42Hz〜30kHz(-6dB)
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クロスオーバー周波数 | 1.6kHz
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インピーダンス | 4Ω
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出力音圧レベル | 87dB / 2.83v /1m
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寸法(W×H×D) | 260×419×227mm(グリル含む)
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重量 | 11.0kg(1本)
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入力端子 | デュアルバインディングポスト
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仕上げ | ブルーバッフル、5面ウォールナット・リアルウッド
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